令和7年度 山盲ニュース
前期は、「コパルへの遠足」「スポーツフェスティバル」「中川小との学年交流」「宿泊学習」など、大きな行事がめじろ押しに続きました。どの活動も元気いっぱいに取り組み、笑顔がたくさん見られる充実した活動となりました。
<たくさん歩き、たくさん遊んだ遠足(5/16)>
<6年生 上山市小学校陸上記録会に参加(6/6)>
<みんなの努力が実ったよ!笑顔いっぱいスポーツフェスティバル!(6/20)>
〇応援披露&ひっぱれ!綱引き大作戦
<2組:宿泊学習に向けて(7/16)&中川小との学年交流(7/17)>
<5年1組:じゃが芋ほり(7/14)&中川小との学年交流(7/17)>
<6年1組:社会科校外学習(7/10)&中川小との学年交流(7/15)>
<充実した活動が満載の宿泊学習(9/11,12)>
バードコール作り 生活体験の家 カレー作り マシュマロ焼き
いかだアドベンチャー
<実り多き秋「稲刈り体験」(9/19)>
中学部の美術では、タイルアートとしてコースターをつくりました。1cm角程度の、正方形、長方形、丸、さまざまな形や色のタイルを組み合わせ、自分のモチーフを、約10cm四方の中につくりました。最後は、タイルとタイルの間にセメントを流し込み、固めて完成させました。
中学部は、7月18日と25日に、近隣にある上山市立北中学校と交流及び共同学習を行いました。緊張しながらでしたが、大勢の中で合唱コンクールに向けた合唱練習を行いました。
普段は数名しかいないクラスですが、中学校では20名以上の生徒がいます。また、目の見える友達に「今ここを歌っているよ。」と楽譜を指さしてもらったり、盲学校生徒から「肘を持たせて。」とお願いして手引きをしてもらったりする場面がありました。
中学部では、「働く」ことについて学習を行いました。
まず、学校技能員の仕事について、実際に技能員にインタビューして聞きました。生徒が授業をしている間、安全に、快適に生活できるように校内の整備をしてくださっていることを知りました。
また、クラフトテープでつくった花の形のマグネットとキーホルダーを、校内で販売しました。初めての販売で、緊張もありましたが、少しずつお客さんの先生と話をしたり、お金のやりとりができるようになったりしてきました。
中学部の理科では、エタノールの沸騰する温度を調べ、温度変化をグラフに表しました。グラフ用紙に、ピン(画鋲)を打ってグラフをつくります。音声温度計で30秒おきに測定すると、77.5℃で上昇しなくなり、「沸点は77.5℃で、水と違う。」と考察しました。さて、水とエタノールの混合物は、どんなグラフになるかな?
6月12日にプール清掃を行い、6月24日にプール開きを迎えました。
中学部は、泳ぎが苦手だった人も、バタ足で息継ぎをして25mを泳ぎ切れたり、きれいなけのびのフォームで10m進んだりした生徒がいました。日本代表の水泳選手になりきって、強く壁を蹴って泳いだ生徒もいました。
ときどきプールの水を飲んでしまい咳こみながらも、あきらめずに泳げる距離をのばした生徒は、授業の最後は充実した表情で学習を終えていました。
中学部では、美術の「扉から広がる世界」の学習で、扉をモチーフに作品を制作しました。扉の中に広がる自分だけの家、扉の外に広がる動物のいる風景など、思い思いに制作をしました。色画用紙やモール、不織布など、さまざまな手ざわりや色の材料を選び、自分のイメージを形にしました。
中学部の5・6月の体育はフロアバレーボールを行いました。1年生はルールを覚えるところからでしたが、サーブ、レシーブ、スパイクと、流れを覚えました。ゲームの中で得点できるようになってくると、徐々にゲームの面白さに引き込まれていきました。
スパイクの方向の打ち分けができるようになったり、腕の力を球に伝え強烈なスパイクが打てるようになったりした生徒もおり、めきめきと上達していきました。
中学部は、5月28日に、山形市にある視覚障がい者情報センターへの校外学習に行ってきました。見えない・見えにくい方にとって便利なアプリの使い方を体験させていただいたり、センター内の点字本や拡大文字本の蔵書の様子を見せていただいたり、触らせていただいたりしました。将来は、ここで白杖を買ったり、アプリの使い方を教えてもらったりできます。
その後、生徒たちが自分で計画した経路で散策をしました。昼食で蕎麦屋に行った生徒、百円ショップで買い物をした生徒がいました。
また、電車や路線バスへの乗り方の学習も行いました。
後日、総合的な学習の時間に、校外学習を通して自分がどんな体験をして、どんなことを知ったのかを発表し、生徒同士情報を交換しました。出羽山形藩の初代藩主「最上義光」の歴史館に散策で行った生徒は、最上義光公が軍を統括するときに振り回していたと言われる、3kgほどある指揮棒と同じ鉄の棒を学校技能員から借りてきて説明しました。
中学部では、昼の放送の原稿を書く際に、点字ではなくパソコンに入力して作成することにチャレンジしている生徒もいます。パソコンが画面の文字を読み上げるため、見えない生徒でも文字を入力することができます。
漢字の変換の際も、「高」という漢字は「コウテイノコウ、タカイ」などと教えてくれるので、正しい漢字に変換できる仕組みになっています。中学部では、ポップコーンの種を植えました。教室の苗に、扱いやすいペットボトルじょうろで水をあげ、成長の記録をとっています
苗になった後は鉢に植えかえました。支柱の先端に顔や目をぶつけて怪我をするのを防ぐために、ペットボトルをかぶせました。ペットボトルには、鈴やシールの飾りをつけ、目印にしています。
校庭の木の変化は、枝に紐をつけて目印にしておき、年間を通して変化を触って確かめます。普段は高くてさわれない木の枝も、ひもを引っ張れば下がってきて触れるようになります。
サクラの花は、その後散って、葉が生えてきました。サクラの実もいくつか付いていました。このあとどのように変化していくかな?
中学部の社会科の地理の学習では、触って分かる地球儀を使って学習します。海と陸が凹凸で分かるほか、色の差もはっきりしていて、見やすくできています。今回は緯線と経線について学習しました。
中学部の給食では、1階の給食室から2階の教室まで、自分の担当のものを運び、自分たちで盛り付けます。配膳のときは、ぶつからないように基本的には室内一方通行です。「通ります。」「失礼します。」などと声を出しながら、お互いに譲り合いながら行っています。それでもこぼしてしまうこともありますが、失敗は成功のもと、これも生活自立に向けた学習です。
化学変化の実験では、見えにくい・見えなくても自分でガスバーナーを使って実験しました。発生した気体は、水中で瓶の中に集めます。
メスシリンダーの目盛りは見えない(見えにくい)ので、針のない注射器で液体を量り取ります。ピストンに刻まれた溝を筒の縁まで引いて5㎤または20㎤を量り取ります。
中学部の理科の授業では、触って行う観察「触察(しょくさつ)」に励んでいます。
花のつくりの学習では、大きいユリの花を触察しながら分解し、つくりを知りました。そのほか、チューリップ、マツ、イヌワラビなども本物をさわりました。
動物の体のつくりでは、魚、イカ、エビを触って、同じ点や違う点を見つけました。カモやクマのはく製、ヘビの骨も触って学習しました。
中学部の新年度が始まりました。点字教科書、拡大教科書(拡大文字の教科書)を無償給与いただき、生徒たちは学習をスタートさせました。
点字は、大きさが決まっていて、漢字がないため、ページ数や冊数が多くかさばるのですが、通常の教科書とほぼ同じ内容が書かれています。「点図」という図もあります。
拡大教科書は、読みやすい書体、文字の大きさ、見やすいグラフや挿絵に書き換えられています。
そのほかの教育課程の教科書も無償給与され、生徒たちはそれを使って日々学習に励んでいます。